住宅や家具を設計するときにスチールを用いる機会が多くあります。
階段の手すりやテーブルの脚など、皆さんの身の周りでもたくさん見ることでしょう。
スチールは加工しやすく安価な素材ですが、重量があり、酸化して錆びやすいという特徴もあります。
今回はそんなスチールを用いた住宅デザインに関するお話です。
こちらの西浅田の家では建物の内と外の両方にスチールを使っています。
まずは外から。
玄関ドアの外枠と階段の手すりがスチールになっています。
通常のさび止め加工が施されたスチールを外に晒したままにしておくと、雨水などで腐食してあっという間に錆びてしまいます。
当社でスチールを用いる際の仕上方法のひとつに「ローバル塗装」というものがあります。
ローバル社の常温亜鉛めっき塗料を用いた手法です。
ローバル塗装の最大の特長は強力なさび止め効果です。雨ざらしにも日焼けにも長期間耐え、さびの発生・そして塗膜の下での広がりを抑える性能を持ちます。
西浅田の家の中の様子。階段の手すりにもローバル塗装のスチールを使っています。
ローバル塗装は一般的な溶融亜鉛メッキ(どぶ付けメッキ)よりも安価で、施工も簡単です。
スプレータイプやローラーで塗り広げるタイプなどもあります。
道路標識の柱や鉄骨の切断部の補修、バイクのスポークのさび止めにも用いられており、既に皆さんの身近な生活に馴染んでいるものなんです。
富塚の家でもローバル塗装の手すりを使っています。
光を受けるとほんのりキラキラして素敵です。
いかにも金属的なギラギラした光沢ではなく、落ち着いてすっきりとしたマットなシルバーグレーの質感が魅力です。
階段の手すりや什器の骨組みなどスチールを用いる場面は多くありますが、たいていの既製品は白か黒で塗装されていることがほとんどです。
白だと可愛らしすぎる、でも黒だと重すぎる…というお悩みをお持ちの方に、ローバル塗装はとてもおすすめです。
さらにローバル塗装は暴露されることで色が次第に移り変わっていきます。
最初は明るいシルバーから、徐々に濃いグレーへ。
この経年変化も魅力的な要素のひとつです。
さて、さびに強く、安価で、施工も簡単なローバル塗装ですが、少しだけデメリットもあります。
それは擦れや引っかきに弱いことです。
当社の作業机の脚にもローバル塗装のスチールを使用しています。
黒い筋のようなものがいくつかありますが、これは塗膜が剥がれているものです。
硬いものをぶつけたり、鋭いもので引っかいたりしないようご注意ください。
(ある程度の数の傷が付いてしまえば、かえって味わい深くなるかもしれませんが……)
以上、スチールにまつわる住宅デザインのお話でした。
それぞれの家の施工例や詳細な写真はこちらから
>> 西浅田の家
>> 富塚の家
ローバル塗装については公式サイトから
>> ローバル株式会社(外部サイトへ遷移します)